六月飛霜

HongKong その日気になったことをメモ

hk928

 

 

今の香港の状況は笑えない。

そもそもは2017年に予定されている行政長官選挙、その辺は

香港はニセの普通選挙に抵抗できるか:日経ビジネスオンライン

この辺で(登録していないと一ページ目しか読めないけれど、だいだいどういうことでこうなってるかの概要はわかる。)

さっくり言うと、香港で初の普通選挙と銘打っておきながら、民主派の推薦する議員は立候補そのものを許可されず、「我々の許可する中から選びなさい」という、香港の人たちにとっては「はじめから要らないものばかり」入ったワゴンセールのようなもの。そんなもの誰が喜べるだろう?

だからそこから自分達のトップを選べということにノーと、彼らはただごく普通の「普通選挙」が出来ることを望んでる。

 

 

私はただの香港娯楽のファンだ。映画を見て音楽を聴く。それだけで香港へも一度しか行ったこともない。ただ香港映画を見ていると、やたらとその町の風景が当たり前のようにどの作品にも多く登場することに、気付く。それは単にスタジオ少ない・高いとかそういう理由からきていることだというけれど、それにしたってあれだけ見ていればいやでもなんというか、愛着が湧いてしまう。

そんな風に香港そのものをいつの間にか好きになってしまう香港映画ファンは多いんだろうと思うけれど、私がたとえあれこれ、特にここ数年だけれど、政治的なことを見知ったとしても話にしないのは、これは年代ということもあると思う。

不談政治、それが香港のスターの一貫した態度だった。そりゃそうだ。既に返還は決まり、香港という狭い市場だけでは…ということは返還のとっくに前から分かっていたことで、ましてやそれぞれの立場(家族や親戚ふくめ)があり、下手なことを言わないのはだけど私達日本もふくめ世界各地にファンのいる彼らなりの世渡りか思いやりでもあったのかもしれないけれど。

それでも天安門事件の時には学生を支持する大集会を市民と共に開き多くのスターが参加し声をあげていたけれど、そのことだけでもその後の大陸での仕事に差し障りが出た人もいたと話に聞いた。

 

それはともかく、返還後、時折ニュースで見かけるデモもあったけれど、学校では国語(広東語ではなく標準中国語、いわゆる普通話)を習っている子供達の姿が映し出され、かつて自分の知っていた所が変わっていくのは仕方ないけれどやるせない、ただ私の勝手な感傷なんかには関係なく、どんな形になろうと、ただそこに居る人たちにとって住み良い、良い町であり続けてほしいと思うばかりだったのだけれど。

 

スターだけでなく比較的政治より経済、日々の生活が何より、という風に聞いていた香港の、けれど、デモの参加者人数は(発表によってえらい開きがあったりする状況もふくめて)気になっていると、それが驚くほど増加の一途を辿り

それでもけっこうな状況でも、他国の心配なんて大きなお世話、と意地っ張りで、自分達でジョークにして笑いのめしてしまうようなお国柄ともいえたような香港が2年前から、その余裕もなくなった。

 

今年台湾で学生達によるひまわり運動という政治運動(こちらは大陸との不平等な条約を結ぼうとしていたとされる馬さんに勝手は許さないぞ、という運動)が起こった時、香港からfacebookや何かで「がんばれ」「香港のようにけっしてなるな」声援の声が飛び続けたのを見た時、涙が出た。

両岸三地といわれいた頃から微妙な間柄で、そんなこともうどうでもいいんだけれど、台湾が「なぜ香港は抵抗もしないんだ」と言えば「台湾にばかり悲哀があると思うな」という言葉も飛び交っていたというのに…

 

ただ今香港で多くの人が求めているのは、救いなんかではないのだと思う。

ちょっと小憎たらしいほど、自分達の足で必ず立ち上がろうとする、いわゆる香港精神を失わない為の行動であるように見え、他国に救いをと言うような話ではなく、それでもただ香港に今何が起きているのか?彼らは何を目指し、どう行動し、それに一国二制度というまだ33年不変のはずの約束をした大国は、どう答えようとしているのか?

それを多くの人にただ知っていてほしい、見て欲しいと様々な声をあげている。

自分達の土地で当たり前の普通選挙の実施ということを、ただ望んでいる彼らは、まだ独立精神、香港精神のもとに立っていて、それがかつて中国で起こったことのように誰にも実態が知られず封殺されることにならないよう、知って欲しいと望んでいるように私には思える。

 

たとえ、33年後に巨大な隕石が衝突するということになって、世界中から見捨てられた廃墟のようになろうとも、残った人たちで生活を、町を守り、自分達でやっていこうとする、それが希望だ、というこの創作動画のように。

 

 

香港將於33年後毀滅 Hong Kong will be destroyed after 33 years

 

G.V.A. Creative | Facebook

 

ただ香港が好きだけれど、私もまた大きな波に翻弄され揺さぶられる彼らと同じように平凡な一人の市民だ。自分達の土地で安心して穏やかに生活したいという当たり前の希望を同じように持っているから、自分達のことではないけれど

日本にいて何が出来るわけでもないけれど、それでも私は見ていよう、見続けようと思う。世界中で多くの人がそうして見続けている。

我們看著你們,他們的態度也看.香港加油

 

現在の状況は国慶節である10月1日にあわせて予定されたいた、セントラル占拠でしたが、27日の学生達と警官との対立などの状況を受けて、28日未明に急遽、占拠を前倒しすることが決定、おってどのようにするか発表されるとのことでしたが

 

蘋果日報、香港のデイリーアップルという新聞社がオキュパイセントラル(和平佔中)の専用のページを立ち上げていて、ライブ動画から、発生していることを記事や動画で刻々、続々と報道し続けています。

 


蘋果日報 | 首頁



社主の所に意味のよくわからない家宅捜索が入ったりもあったようだけれど、かつてはスター達をいやというほど苦しめていたしつこさや機動力を存分に発揮して、とにかく続けられるだけ伝えてくれていると思うと頼もしい。

 

政治のことを書くことなど、と思っていたけれど(基本的にエンタテイメントと政治は別だと思っている。)見ているということを 書いておきたかった。

 

 

 

オキュパイセントラルに至るまでの詳しい話や、香港での平和的な政治行動などについても、香港で日本を紹介する番組の人気MCでタレント、香港永久居民のりえさんのブログ 

ジャパナビりえ的香港TV道 - livedoor Blog(ブログ)

 

で、こちらの記事にまとめられています。

 

ジャパナビりえ的香港TV道:七一大遊行2014香港 - livedoor Blog(ブログ)

 

 

 

 

香港でも輝かしい秋空を見上げて笑える日が来るよう願って。